拝啓 夜長の候
秋の夜長の季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
澄み切った夜空に月が綺麗な今日この頃です。
人は、天気が良ければ、月がいつも当たり前のように夜空に形を変えながらもあるものだと、日々、あまり有り難みを感じてはいませんが、一生に一度だけしか月の下で輝くことができない花がございます。
“月下美人”
“月下美人”は、夕暮れから夜にかけ、初めて見る月の下で、強い香り
「甘く気持ちが良い香り」「上品な香り」「優雅で心地よい香り」
などと表現されるジャスミンに似た柔らかい香りを放ち、純白の大輪の花を咲かせ、燃え尽きて日が登る頃には昨夜の美しさが嘘のように、色も香りも失われてしまう、一夜限りの花です。
名前の由来は、昭和天皇が皇太子だった頃、台湾を訪れた際、この花に目を奪われ、駐在大使に名前を尋ねたところ「月下の美人です」と答えたことから“月下美人”という名前が付けられたそうです。
英語の呼び名は、“Queen of The Night”(夜の女王)
花言葉は「儚い恋」です。
たった一夜に、切なく激しく、そして潔く、命を燃え尽きさせてしまう「儚い恋」ということでしょうか?
今宵、同じ月の下のどこかで輝いている”月下美人”に想いを巡らせながら、儚くも尊い命の営みについて考えてみるというはいかがでしょうか?
出来ることならば、「月が綺麗ですね」といえる誰かと一緒に・・・。
参考までに、
NHK「みんなのうた」で、和楽器バンドの“月下美人”という美しい曲があります。
「花は見頃より、散り際に美を」
「月と歌う最終楽章の幕は志に息づく」
という歌詞が印象的でした。
Youtubeで検索すると、ミュージックビデオを見ることができます。
皆様の実り多き秋となりますことを、心よりお祈り申し上げます。
敬具