拝啓
短夜の候 長引く梅雨の長雨にささやかな夏空の待ち遠しい日々が続いております。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
コロナ禍の見通しが立たないところへ、今度は線状降雨帯による大雨に見舞われ、数多くの被災者を出すという現状に自然の驚異と人間の無力感を思い知らされます。
閑話休題・コーヒーブレイク
さて、まもなく七夕ですね。
長引く雨の中、今年の七夕は”彦星と織姫”、一年に一度の逢瀬を重ねることができるのでしょうか?
ここで、”彦星と織姫”に、自らの忍ぶ恋をなぞらえた日本の歴史上有名な人の詩を一つご披露したいと思います。
”織姫惜別”
二星、何んぞ恨みん隔年に逢うを、
今夜床を連ねて鬱胸を散ず。
私語未だ終わらざるに、まず涙を酒ぐ。
合歓枕下、五更の鐘。
(現代訳)
彦星と織姫は、一年に一度しか会えないと言うが、どうしてそれを恨むことがあるだろう。
一年に一度でも、ちゃんと会えるではないか
今夜は、二人寝床を並べて、長年の鬱積した胸の内を語り合おう。
囁き合う、その声がまだ終わらない先に、涙が溢れてくる。
歓びを分かち合った枕元には、もう夜明けを告げる朝の鐘が鳴り響いている。
これは、「愛」の前立てで有名な戦国武将 直江兼続の詩です。
戦国武将が、こんな赤裸々な”詩”を残しているのが驚きです。
愛し合う二人にとって、夜明けの鐘の音が、歓びを涙に変える。
今を惜しんで生きる戦国武将の生き様が切々と伝わってきます。
先行きの見えないコロナ禍、そして線状降雨帯によるネガティヴな環境下に置かれている私達ですが、我々の先祖は決して諦めること無く、希望、忍耐、そして勇気をもって乗り越え、復興してきた歴史があり、今日の私達があります。
生かされているということに感謝して、精一杯、今を惜しんで生きていきたいと思います。
季節柄、どうかご自愛くださいませ。
敬具