拝啓 薄暑の候 雨に萌ゆる緑が風情を漂わせる季節となりました。
アート・オブ・ライフ〜今日のカード
No.16「塔」
タロットカードでは「破壊」を象徴するカードになります。
1910年「ル・プチジャーナル」のイラスト(フランスのアンティーク新聞)
日本では、明治43年になります。
箴言は、1844年プロイセン王国(現ドイツ🇩🇪)生まれの哲学者フリードリッヒ・ニーチェの言葉
”what does not destroy me , makes me stronger.”
「私を滅ぼすに至らない全てのことが、私を強くする」
ニーチェの人生は、病気と共にありました。幼少期から極度の近眼で、さらに偏頭痛や胃痛など健康上の問題を抱えていました。
しかし、ニーチェにとって病気や困難は、ただ苦しいだけのものではなく、より思考を深めてくれるものでした。
自己を高めてくれる要素だと言っているのではないでしょうか?
大半の苦しみは、自己成長のきっかけと思うと乗り越えられるのかもしれません。
様々な困難が、彼を強くしていき、
”ツァラトゥストラはかく語りき”
の中では、現実の「生」を全面的に肯定する「超人」を理想の生き方としました。
そう考えると、絵画の「パラシュートドロップ」は自分の既成概念を破壊して「超人」になろうとしているのかも?
私にとっては、日々、陥りやすい歪んだ妬みや憎悪といった「ルサンチマン」を排除して、ニーチェのように「超人」として生きるのは、少しハードルが高いかもしれません。
しかし、日々の困難や悩みも、向き合い、受け入れることで自らを成長させてくれる糧となるのだと思えば、少しは気が楽になれるような気がします。
「誰か」と比較する必要はありません。
私も貴方もこの世界で唯一無二の存在です。
今日、生きていられるだけで「ラッキー」だと思うことにしました。
未だコロナ禍は収まっておりませんが、
”朝の来ない夜はありません”
時節柄、どうか皆様ご自愛くださいませ。
敬具
天野雄太