“メリー・クリスマス”

拝啓 師走の候 

何かと慌ただしい時期となりました。

街には“クリスマス”のイルミネーションが眩く感じられるようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

世界中で、そして日本でも、お祝いしている“クリスマス” 

クリスマスって何をお祝いする日なのかご存知でしょうか?

イエス・キリストの誕生日だと思ってはいませんか?

イエス・キリストは、父ヨセフ、母マリアの間に、紀元前4年頃の12月25日、ベツレヘムの宿屋の馬小屋で生まれたことになっていますが、

実は、イエス・キリストは12月25日には生まれてないようです。

イエス・キリストの生まれた日を裏付ける資料はどこにも存在しません。

新約聖書の中の記述によれば、イエス・キリスト誕生に際し野宿していた羊飼いや東方の3博士が星に導かれて訪ねてきますが、気象条件や当時の慣習からして12月25日に野宿はほぼ無理だと考えられます。

新約聖書の中で「ベツレヘムでキリストが生まれた時、誰も見たことのない星が西の空に輝き、東方の3賢者がキリストの元に導かれた」という点に着目し天文学者が当時の星の位置関係から導き出した結論は、紀元前7年9月15日、又は紀元前2年6月17日と推定されるそうです。(他にも諸説あります)

ちなみに、クリスマスツリーのてっぺんにつける星、あれがキリストが誕生した時に輝いたベツレヘムの星をイメージしているそうです。

また、馬小屋というのも怪しく、当時では、ある程度の富裕層でなければ馬小屋は持っていないということでした。家畜小屋、又は洞窟というのが現実的な見解と言えそうでうです。

そもそも、12月25日がイエス・キリストの生誕を祝う祭りと定められたのは、4世紀半ば頃のローマ、教皇ユリウスⅠ世の時代からだと言われています。

もともと、12月25日はローマの冬至の日で、この日付近に、冬至祭などの大きなお祭りが行われていました。冬至は、長くて暗い実りのない世界が終わり、新しい世界が始まる日と考えられていたことから、キリストはこの世を照らす光とされていたこともあり、この時期にキリスト生誕を祝う日が定められたようです。

そういう訳で、“クリスマス”は、イエス・キリストの誕生日ではなく、「イエス・キリストの誕生を祝う祭りの日」ということになります。

もう一つ、“クリスマス”といえば“サンタクロース”です。

子供の頃、サンタクロースは煙突から入ってくると聞いていたので「煙突のない我が家にはきっと来ないのだろうなー」などと思っていました。

実は、「サンタクロースが煙突から入ってくる理由」には、深いエピソードがあります。

サンタクロースの始まりは、4世紀頃にトルコの司祭だった聖ニコラウスさんだと言われています。

彼がまだ司祭になる前の話ですが、彼の近所に貧しい家庭があり、そこには3人の女の子がいました。

しかし、貧しさの為に女の子の誰かを奴隷として売りに出してお金に変えなければなりませんでした。

それを知った聖ニコラウスさんは、「なんとかして助けてあげたい」と思い、お金を工面して、女の子の家の煙突から金貨を投げ込んであげたところ、その金貨が偶然にも暖炉のそばに干してあった靴下へと入ったのです。

その金貨のおかげで女の子達は身売りをされずに済んだのです。

ここから、サンタクロースのプレゼントは、靴下に入れるという風習が誕生したというのです。

少し、現実的なお話しをしましたが、人間か生きていくということは、理想だけでは上手くいかないことが多いのも現実です。

しかし、誰もがやさしい気持ちで接することができる聖夜、クリスマスは、キリスト教やそうでない人にとっても特別で大切な日であることには変わりはありません。

今まで頑張ってきた自分自身を褒めてあげてもいいし、貴方様にとって大切な人に感謝するのもいいでしょう。

当たり前という名の現実が“奇跡”であることに気づかせてくれるいい機会かもしれませんね。

歳末ご多忙の折、健康には十分留意なされ、さらにご活躍されますことを祈念申しあげます。

敬具