秋・・・ love letter

拝啓 仲秋の候

流れる雲に秋が感じられる今日この頃です。皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。

秋の夜長、なんとなく人恋しい季節となりました。

突然ですが、あなたはラブレターをもらったことがありますか? 昭和世代が対象かな。

今は、ネット・sns等でなんでも簡単に手に入る時代になり、死語となりつつある“love letter(ラブレター)”

最初にこの言葉を使ったのは、シェイクスピアだと言われています。

歴史に名を連ねる偉人たちは、どのような“ラブレター”を書いて思いを伝えていたのでしょうか?

気になるので、秋の夜長に調べてみました。

さて、トップバッターは、

1 ラムセスⅡ世(🇪🇬古代エジプト ファラオ)

王妃ネフェルタリへのラブレター

「我が愛は特別だ。彼女に匹敵する者はいない。何故なら彼女の美しさが世界一。すれ違っただけで心が盗まれてしまった」

英雄も美人の前では・・・。7人の王妃と200人の側室の筆頭です。111人の息子と69人の娘をもうけたといわれます。羨ましいような、大変そうな・・・

2 玄宗(🇨🇳 唐帝国皇帝)

楊 貴妃へのラブレター

「空飛ぶ鳥に生まれたら、雌雄各々一翼であるから、二羽一緒に並んでいなければ飛べない鳥となろう。

地上に生える樹になるならば、二本の樹の交えた枝の木目が連なった連理の枝となりたい。

いつの世にも離れることのない夫婦でありたい」

なんともロマンチックですが、相手の楊貴妃は息子のお嫁さんです。

これが原因で唐帝国は滅亡へと向かっていきます。

3 シェイクスピア(🇬🇧イギリス 劇作家)

美少年へのラブレター

「君を夏に例えようか、いや、君の方がずっと美しく、穏やかだ。(中略)時に、天なる瞳はあまりに熱く輝き、そうかと思うと、その黄金色の顔はしばしば曇る。(中略)君の永遠の夏を色褪せたりさせない。もちろん君の美しさは、いつまでも君のものだ。まして、死神に君がその影の中で彷徨っているなんて自慢話をさせてたまるものか」

ゲイ? それともバイセクシャルですか?

4 武田信玄(🇯🇵 戦国武将)

小姓(美少年)へのラブレター

「今まで、弥七郎にアタックしたことはありますが、腹が痛いとか言って断られました。本当です。(中略)弥七郎と寝たことはありません。昼も夜もそんなことはしません。まして、今夜そんなことになろうはずがありません」

「あなたと結ばれたいと、あれこれ動き回るのに、かえって迷惑でしょう。(中略)このことに嘘はありません。嘘があれば、きっと天罰を受けるでしょう。(中略)本当なら宝印に記すべきでしょうが、役人に見られると困るので、普通の紙に書きました」

この方も、ゲイ? バイセクシャルですか?

5 ナポレオン(🇫🇷フランス皇帝)

妻 ジョセフィーヌへのラブレター

「お前のことなど全く愛していない。それどころか憎んでさえいる。私を愛していないからだ。お前の手紙が、どれほど私を喜ばせるかわかっていながらーーたった5〜6行の手紙さえ書こうとしないじゃないか!」

「新しい恋人ができたのか? 用心しろよジョセフィーヌ。ある晴れた晩、ドアが破られ、私が現れる。実際、愛しい人よ、私は、お前から手紙が来なくて心配なのだ」

余の辞書にも不可能はあったのです。

“ パリと女は留守にしてはいけない” by ナポレオン

6 アンデルセン(🇩🇰デンマーク 童話作家)

片想いの相手へのラブレター

「もう一人の男を愛しているのですか?・・・(中略)あなたが幸せになりますように。そして、あなたのことを永遠に忘れられない誰かのことは、どうか忘れて・・・」

「ああ!あなたは一言も同情ある言葉をかけてくださいません。私は、とても惨めです。あなたが、ぐっすり眠っている夜、私は、とても悲しく、とても苦しんでいるのです」

これって、モテないコミュ障男性の典型では・・・

7 アインシュタイン(🇩🇪ドイツ 物理学者)

妻 ミレーバさんへのラブレター

「愛しい君よ、君に出会う前、僕は一人でどうやって生きていられたんだろう。君なしでは、僕の人生はない」

「愛する人よ、結婚したら一緒に科学の研究を続けよう。教養のない俗物として歳を取りたくないからね。今、君以外の人は全て、目に見えない壁の向こうにいるようで、よそよそしく感じるんだ」

結婚した翌年に、“ 相対性理論 ”発表!

8 ゲーテ(🇩🇪ドイツ 作家)

19歳のシャルロッテさんへのラブレター 

多すぎて書けません!

3年間に、約1800通のラブレター(1日に2通弱の計算)しかも、実りません。“ 若きゲーテの悩み”でしょうか?

当時、裁判所に勤めていたゲーテさん、今なら、ストーカー規制法で捕まって大スキャンダルかも。

9 カフカ(🇨🇿チェコ 作家)

恋人 フェーリッツェ・バウアーさんへのラブレター

「将来に向かって歩くことは、僕にはできません。将来に向かってつまずくことはできます。一番上手くできることは、倒れたままでいることです」

なんか、ネガティヴ感満載!!、で・・・? どうしろと・・・?

「ちょっと散歩しただけで、ほとんど3日間、疲れのために何もできませんでした」

なんの報告なのでしょう? だから・・・? 意味不明? なんか面倒くさそうな感じの人ですね。

10 夏目漱石(🇯🇵 作家)

妻 鏡子さんへのラブレター

「俺のような不人情な者でも、しきりにお前が恋しい。これだけは奇特といって、褒めてもらえなければならぬ」

どうして、そんなに上から目線なんでしょうか? 素直に「恋しい」と言えばいいのに・・・でも、実際は恐妻家でした。

漱石先生は「I LOVE YOU」を「あなたといると、月が綺麗ですね」と翻訳したそうです。

参考までに、二葉亭四迷は、「I LOVE YOU」を「死んでもいいわ」と翻訳したそうです。

翻訳家によって、その愛の形や背景が変わって見えてきませんか?

偉人たちの思いの伝え方も色々ですが、もし、あなたがラブレターをもらった当事者だったらどう感じますか?

まだまだ続きますが、続きは次回のお楽しみといたします。to be continue

実りの多い秋を過ごされますように、お祈り申し上げます。

敬具