不思議な銀行

拝啓 啓蟄の候

暖かい日々が増え冬籠もりしていた生き物が目覚めるころとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

時が流れ、季節が巡る、そんな当たり前に感じていた日々がロシアのウクライナ侵攻であっという間に世界秩序が崩れ去り、核の脅威が表面化されてきました。

そんな中で、時の流れについて考えさせられる “詩”を見つけたのでご紹介させていただきます。

前書き

不思議な銀行があります。

その銀行は、毎朝貴方の口座に、864000円を振り込んでくれるのです。

老若男女、貧富を問わず、公平に振り込んでくれます。

但し、一つだけルールがあります。

もし、864000円を、その日のうちに使い切らなかった場合、その夜、貴方が眠りについた途端、残したお金は、全て消されてしまうのです。

貴方だったらどうしますか?

きっと、毎日、全額を引き出し、その日のうちに使い切るのではないでしょうか?

私達は、一人一人同じような銀行を持っています。それは・・・「時間」です。

毎朝、貴方に、864000秒の時間預金が与えられます。そして、毎晩、その日の残高は、全て消されてしまいます。

それは、翌日に繰り越されません。それは、貸し越し出来ません。

もし、貴方が、その日の預金を使い切らなければ、貴方は、それを失ったことになります。

過去に遡る事はできません。

振り込まれた864000秒は、貴方がどのように使おうと自由です。

でも、「今日」だけしか使えない、貴重な864000秒です。

「怒ること」や「悲しむこと」に使うのはもったいないことです。

「楽しむこと」や「喜ぶこと」に使うべきです。

本題

『1年の価値を知りたければ、落第した学生に聞いてみなさい』

『1ヶ月の価値を知りたければ、未熟児を産んだ母親に聞いてみなさい』

『1週間の価値を知りたければ、週刊誌の編集者に聞いてみなさい』

『1時間の価値を知りたければ、待ち合わせをしている恋人たちに聞いてみなさい』

『1分の価値を知りたければ、電車をちょうど乗り過ごした人に聞いてみなさい』

『1秒の価値を知りたければ、たった今、事故を避けることが出来なかった人に聞いてみなさい

『0.1秒の価値を知りたければ、オリンピックで銀メダルに終わってしまった人に聞いてみなさい』

貴方の持っている、「一瞬、一瞬」を大切にしてください。

もし、貴方が「今」、誰か特別な人と過ごしているのなら、そのかけがえのない「一瞬」を心から味わいましょう。きっと、その人は、貴方の時間を使うのに、十分ふさわしい人でしょうから。

時間の針は、刻一刻と走り続けています。決して、私達を待ってはくれません。

だから、「今日」を大切にして下さい。

「今」を、心から味わって下さい。

『Yesterday is history』昨日はもう過去のこと。

『Tomorrow is mystery』明日はまだ未知のもの。

『Today is a gift』今日は神様からの贈り物。

だから英語では、「現在」のことを、「プレゼント」(present)と呼びます。

原詩は、アリス・モース・アールというアメリカの女性作家のものになります。ルーズベルト大統領夫人のエレノア・ルーズベルトのスピーチで有名になったそうです。

※(きこ書房『神様が書いた詩』の中の「時間銀行」を参照しました)

寒暖定まらぬ時期ですので、ご自愛専一にてお願い申し上げます。

敬具